袋小路の奥に位置する敷地は、東側に水路と広大な緑地、前面道路に面する西側に住宅地が広がるという、東西で異なるコンテクストを持つ環境です。
この対照的な環境を受け止める住まいの在り方を模索し、住まいの中心に柱を据え、南北方向に棟木を通し、東西に均等な切妻屋根を架けた、小屋のような素朴な空間の住まいを計画しました。
東側には、豊かな自然が背景となる位置に合わせて大きな開口部を設け、西側は開口を控えつつ、キッチンから通りの様子が見渡せる横長の窓を配置し、家族の行き来や来訪者を迎え入れる関係をつくりました。
建物を長手方向に貫く棟木、居間の中心にある化粧柱、階段や手すり、化粧梁と同素材で設えたカウンターなど、素朴な素材とディテールにより、窓の外に広がる自然豊かな風景と室内が調和する空間をイメージしています。
屋根面に約10kwの太陽光パネルを載せることでZEHを実現した住まいの計画です。
DATA
- 所在地
- 埼玉県川口市
- 完成
- 2024年
- 構造・用途
- 木造・戸建住宅
- 工事種別
- 新築
- 床面積
- 90㎡
- 設計・施工
- 古谷野工務店
- 写真
- 西川公朗