都内の住宅地に建つ、台形の不整形な敷地に計画した戸建住宅です。
人や車の往来が多い北側道路と、将来的な建て詰まりが想定される周辺環境に対し、建物はコの字型の外郭によって生活の場を包み込み、街との距離を建築的に調整する構成としました。
不整形な敷地形状から導かれた約12mに及ぶ斜めの壁を軸に、短辺方向の壁を折り重ねることでコの字型の外郭を形成し、外部環境の影響を受け止めながら、内側に静けさを内包する住空間の輪郭をつくっています。
建物の両端に二つの吹き抜けを設け、上階の開口部から1階の生活空間へと光を導き、上下階に暮らしの気配が感じられる構成としました。外部に対しては抑制しつつ、内部においては断面的なつながりを与えることで、都市環境の中にありながらも広がりを感じられる住まいとしています。
また、建蔽率の緩和を受けられる準耐火構造を採用することで必要とされる建築面積を確保し、燃え代設計によって現しを可能にした小屋梁により、軒高制限と高度斜線をクリアしながら、最大限の気積を確保した合理的な断面構成を成立させています。
間口約1m、天井高約6mのクレパス状の玄関は、街の喧騒から住まいの内部へと意識を切り替えるための、空間的な緩衝帯として計画しました。
不整形な敷地と密集した都市環境に対し、コの字型の外郭による空間構成によって、住まいの輪郭をかたちづくった住宅です。
DATA
- 所在地
- 東京都世田谷区
- 完成
- 2025年
- 構造・用途
- 木造・戸建住宅
- 工事種別
- 新築
- 床面積
- 109㎡
- 設計・施工
- 古谷野工務店
- 写真
- 西川公朗
