
ごく一般的な3LDKのマンションを対象とした、リノベーションの計画です。
かつて和室として使われていた空間は、一部をリビングの拡張に、残りを水まわりと収納の拡充に振り分け、住まい全体の機能性を高めました。個室・玄関・水まわりに十分な収納を確保し、日常的に整った空間を保ちやすいよう配慮しています。
リビングの壁面にはテレビボードや収納などの機能を集約し、それらの要素を整理することで「面」としての意匠を整えています。また、リビングに面したアールの壁の裏側には、洗面脱衣室からクローゼットを経由し、リビングへとつながる裏導線を設け、住戸内に回遊性を持たせました。回遊性のある動線が、日常の生活にリズムをもたらしています。
水まわりの壁をクランクさせ、リビングと廊下の双方にスリット状の開口を設けることで、マンション特有の課題である光と風の通りにくさを改善しました。これにより、閉塞感のない快適な水まわり空間を実現しています。外壁側には内窓と付加断熱を施し、断熱性能の向上を図りました。
収納量の拡充や断熱性の強化といった住まいの基本性能を高めながら、わずかな平面計画の工夫によって、暮らしやすさと空間の美しさを両立させたリノベーションです。
DATA
- 所在地
- 東京都墨田区
- 完成
- 2024年
- 構造・用途
- RC造・共同住宅
- 工事種別
- 改修
- 床面積
- 65㎡
- 設計・施工
- 古谷野工務店
- 写真
- 武川正秀








